リペア作業のお話

リペア作業のお話

今回は岡山市北区に物件をお持ちのGさんから、原状回復のご依頼をいただいたときに行った、リペア作業についてお話します。

物件は築十数年のRC造ということで、建物は比較的新しく、大きな修繕や変更は必要ありませんでしたので、主としてはクロスの部分張り替えと清掃がメインのご依頼でしたが、それらの作業だけではどうしても『原状回復できた』とはいえない、必須の修繕項目がありました。

それは部屋内の各所についた『キズ』や、建具類の『破損』でした。普段使っていれば仕方のないようなものから、「え!?どうやったらそんなことになるの??」といった通常の使用では考えにくいようなものまで複数のキズや破損があり、それらをそのままにして入居募集をするわけにはいかない状況でした。

交換するよりも安い!?リペア作業とは

『建具類をもと通りにする』という考え方から真っ先に思いつくのは、もちろん『交換する』ことですが、キズのためにあらゆる建具をいちいち交換していては、材料代、大工さんの工賃、廃棄する建具の処分代…とかなりの金額がかかってしまいますので、建具そのものがかなり傷んでいたり、老朽化が著しい場合以外は、気軽に交換という訳にはいかないですよね?

そこで次に思いつくのが、『貼りものでキズを上から隠す』という方法です。リアテック、ダイノックなどの粘着シートは、多くの木目や色調で極力他の建具と違和感がないように選択できるので、我々もよくその方法で対処します。しかしこの『貼りもの』系にも実はデメリットや弱点があります。

  • 周囲の建具と完全に一致させることは難しい
  • 材料代が比較的高価
  • 『貼りもの』なので経年劣化で剥がれる可能性がある

そこで今回我々が選択したのが、『リペア』です。リペアとは、専門の職人さんが塗料やパテ類を駆使して、元の状態を再現する手法で、以下のようなメリット、デメリットがあります。

  • 周囲とほぼ同じ色、質感を再現できる
  • 複数箇所でも同じタイミングで依頼できる
  • 手作業のため広範囲の修繕には向かない

早速問題箇所の写真を撮って職人さんへ確認して、作業可能であることと、おおまかな費用が分かったので、リアテックなどの貼りものによる修繕コストとどちらが安いか試算すると…リペア作業の方が安い!仕上がりの良さも今回はリペアのほうがいいと確信したので、大家さんへ相談のうえで、リペア作業を依頼することにしました。

大家さんもビックリ!リペア作業のビフォア・アフター

前置きで長く引っ張ってしまいましたが…それではご覧いただきましょう!以下リペア職人さんによる作業内容です!

キッチンカウンターの角

リペア作業前1
リペア作業後1

こういった突き出した部分って普通に生活していても擦れて塗装が剥げたりしますよね?本来使用感が出てしまっても仕方がないとして諦めることの多い場所ですが、リペア作業ではまさしく『もとどおり』になっています。

引き戸レール付近①

リペア作業前2
リペア作業後2

引き戸を動かすときに小石のようなものが挟まって傷つけてしまったのか、建具表面に貼られている粘着シートが剥がれてしまっていますが、作業後は『なかったこと』になっていますね。

引き戸レール付近②

リペア作業前3
リペア作業後3

家具かなにか重いものを引きずってしまったのか表面が削れてしまっていますが、ここも何もなかった状態になっています。そして驚いたのは、経年変化による建具の色の変化まで計算されていて、周囲ときれいに馴染んでしまっていることです。

引き戸の引っ掻きキズ

リペア作業前4
リペア作業後4

なにか先端が尖ったものが勢いよく当たってしまったのか、建具の仕上げ面が引っ掻いて削り取られてしまっています。…が、『もとどおり~!』

ここまで見てきてもうお分かりだと思いますが、どの建具のリペアもきちんと木目が再現されています。そう、絵筆のようなものを使って『描いて』いるんですね。

引き戸に空いた『穴』

リペア作業前5
リペア作業後5

ここではリペア職人さんの真骨頂を見た気がしました。ぽっかり空いていた穴が見事になくなっています。これはさすがにタクもマーシーも、そして大家さんも思わず「すげぇ…」ってなってしまいました。印として貼っている鍵を取ったら、もうどこに穴が空いていたのか分かりません。

しかし他のキズはともかく、何をどうやったら引き戸の硬い表面に穴が空くのか…この穴だけはどうやって空いたのか全員見当がつきませんでした(笑)

原状回復に『リペア』という選択肢

原状回復の際に、壁や床に関しては外観を一新する意味でも、張り替えたり上貼りしたりといった方法でほとんど対応できますが、建具に関しては簡単に交換ができないので、建具の部分だけ経年のキズや汚れが残ってしまっているお部屋って、実は結構多いと思います。交換の代替としてよく採用されるのがリアテックなどの貼りもの系ですが、部分補修には向かないため、貼るなら全面に施工しないと違和感が出てしまいます。その結果、材料代が嵩んでしまい修繕費を圧迫する原因にもなります。

ただ貼りものによる修繕にも当然メリットはあります。それは『見た目を一新できる』という点。築年数の古い物件や、日焼けなどにより広範囲に表面が劣化している場合には、上から貼れる粘着シートは強い味方になってくれます。

今回のように、「部分的にちょこちょこ直したい」というときにはリペアによるメリットが活かせます。リペア作業には材料費をほとんど必要とせず、プロによる作業料として費用が発生している側面が強いので、1日以内でできる作業であれば、たとえ対応箇所が多くても、結果的に1箇所あたりの費用はかなり抑えることができます。

作業内容によって金額は変動するのであくまで参考となりますが、ちなみに今回のリペアに必要となった費用は35,000円です。これを物件内見時に、前入居者の使用感を感じさせないための『入居促進費用』と捉えた場合、この手法はもっと随所で活用されてもいいような気がします。

退去後の原状回復時の修繕方法として、大家の皆さんには是非、『交換』と『上貼り』、そしてさらに『リペア』という選択肢を新たに加えておいていただけたらと思います。

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